横尾工業の品質を支える
“最初の設計工程”
木箱製作は「箱を組むところ」から始まるのではなく、最適な材料を選定する段階こそが設計の始まりです。
輸送物の重量、重心位置、輸送方法、保管期間、湿度変化、海上揺動など、使用シーンをすべて予測したうえで、
樹種・乾燥方法・材寸・強度・含水率を決定します。
横尾工業ではこの工程を “材料設計” と呼び、木箱強度の約70%はここで決まると考えています。
1. 樹種選定 ―木箱の性能は“木の種類”で変わる
木材は樹種ごとに比重・剛性・割れやすさ・加工性が大きく異なり、輸送物の重量や使用環境に応じて適切に使い分けます。
代表的な使用樹種とその特性



| 樹種 | 比重 | 強度 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| スギ | 約0.38 | ☆☆ | 軽く加工が容易。コストも良い | 軽量物・一般梱包 |
| マツ | 約0.47 | ☆☆☆☆ | 高剛性で曲げ・圧縮強度に優れる | 重量物・海外輸出 |
| ヒノキ | 約0.41 (含水率が安定) | ☆☆☆☆ | 人工乾燥により含水率が低く、寸法安定性が非常に高い 反り・割れが少なく強度も安定。高品質でISPM対応が容易 | 輸出木箱・精密機器 高品質梱包・構造材 |
| 合板(ベニヤ) | 0.55〜0.65 | ☆☆☆☆ | 面強度が高く、寸法安定性抜群 | 側板・天板・底板 |
※比重=密度に相当し、数値が高いほど強く丈夫。
重量物にはマツ、
精密機器にはヒノキが有利
強度設計を行う際、横尾工業では荷重計算を行い、必要強度に応じて以下のように使い分けます。
■ 重量物(500kg〜2t級)
・マツを主体としてフレームを構成
・底板は合板 × 厚物材
・角材寸法も太めに設定(40×50、45×60など)
■ 精密機器・測定器
・節の少ないヒノキ材を選択
・内装に合板を組み合わせ寸法安定性を確保
・緩衝設計と合わせて“芯ブレ防止”を実現
2. 乾燥状態
木材は伐採直後、多くの水分を含んでいます。
木材は乾燥度合いによって、強度・ねじれ・割れ・収縮・膨張が大きく変わります。
グリーン材
―横尾工業の基本仕様
伐採後すぐに製材された未乾燥木材です。
含水率は約25~60%以上と高く、水分を多く含んだ状態で出荷・使用される材料です
■ 特徴:
・未乾燥材(自然乾燥)
・含水率が高く、水分を多く含む
・繊維が柔らかく、加工しやすい状態
・使用後に徐々に乾燥が進行する
■ メリット:
・乾燥工程が不要なため、入荷しやすい
・加工性が高い
・水分を多く含むため、切断・穴あけ・曲げ加工が容易
・曲げ・圧縮・せん断などの試験で、乾燥材より高い数値を示すケースがある
■ デメリット:
・使用後の乾燥により、割れ・反り・ねじれ・寸法変化が発生する可能性がある
・内装材や精度が求められる部材には注意が必要
・水分を多く含むため、乾燥材より重量がある


3. 素材特性(強度・方向性・安定性)
木材は“方向性のある材料”です。
繊維方向によって、強度が大きく違います。
繊維方向(木目)による強度差
| 性質 | 繊維に平行 | 繊維に直交 |
|---|---|---|
| 曲げ強度 | 高い | 低い |
| 引張強度 | 非常に高い | 低い |
| 釘・ビス保持力 | 高い | 中 |
| 伸縮 | 小 | 大 |
木箱が壊れる大半の原因は、木目方向の配置が輸送荷重に合っていないこと。
横尾工業では、重量方向、揺れ方向、積載位置、フォークリフト差し方向を全て考慮して、材料の向きを設計します。
4. 海外輸出仕様(ISPM No.15対応)
輸出梱包に使用する木材は、国際基準ISPM No.15に準拠した熱処理が必要です。当社では、自社工場内に専用の熱処理設備を完備しているため、外部委託に頼ることなくスムーズに対応可能です。
梱包製作から熱処理まで一貫して行えることで、余分な工程や輸送コストを削減し、納期の短縮とコストダウンを実現します。安心・確実な輸出梱包を、ワンストップでご提供いたします。

5. 材料準備としての最終工程:材寸・本数の最適化
横尾工業は材料準備の段階で 端材率・ロス率を最小化 するため、図面の段階で以下を行っています。
・柱材・板材の歩留り計算
・同ロット内での長さ調整
・強度とコストのバランスを取った材寸選定
これにより、品質を落とすことなくコスト最適化が実現できます。
木箱の品質は材料準備で決まる
材料準備は、木箱製造の“見えない部分”ですが、最も重要な品質要素です。
・樹種
・含水率
・繊維方向
・材寸
・強度
・輸送条件
・海外規格
これらを総合的に判断することで、横尾工業の木箱は“壊れにくく・狂いにくく・安全性が高い”設計となっています。









