横尾工業の木材製品は、精密な工程管理と職人の技術によって生み出されています。
熱処理から切断、組立、加工、仕上げ、配送まで一貫して対応し、輸送に求められる強度・精度・安全性を徹底追求。
大切な製品を“確実に届ける”品質を支えています。
1. 木材熱処理

輸出用は、国際基準に基づいた熱処理により病害虫の駆除を行います。
木材の中には森林資源に重大な被害をもたらす病害虫が寄生している恐れがあります。 それらの病害虫を駆除するために用いられている消毒方法の一つです。
木材そのものや木製梱包を使用しての輸出を行う際には、 輸出先相手国で定められた基準を満たす消毒を求められます。この熱処理という消毒方法は、2003年から実施されている 「国際貿易における木製梱包材規制のための指針(国際基準no.15※)」にも準拠しており、最も多く採用されている消毒方法です。
2. 切断(寸法精度・加工技術)

木箱の性能は「切断工程」で決まる と言われるほど、切断は品質の基礎をつくる重要工程です。
横尾工業では製品の用途・重量・輸送条件に応じ、最適な材寸をミリ単位で加工しています。
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2-1. 寸法精度:±1〜2mmの許容誤差管理
木材は天然素材であり、乾燥率・含水率・反りなどによる寸法変化が発生します。
そのため、切断工程では以下の基準で精度を管理します。
● 寸法精度管理のポイント
1本ごとの含水率を測定し、伸縮を見越した寸法補正を実施
NCクロスカットソーを使用し、加工長さを±1〜2mm以内に統制
切断端面の直角度をゲージで測定(90°±0.5°)
打ち合わせ済みの図面寸法に基づき、長手方向・幅方向の誤差を最小化
● なぜ精度が必要か
切断精度が悪いと以下が起こります。
釘打ち位置がずれ、強度が低下
組立時に隙間・歪みが生じる
荷重試験で変形しやすくなる
→ 輸送時に破損するリスクが増大
2-2. 加工技術:用途に応じた切断方法の最適化
横尾工業では材質・サイズ・用途によって加工方法を使い分けています。
① クロスカット(直角切断)
一般的な木箱材の切断で、
天板・底板・側板・角材などに使用。
製品の直角度を出す基本工程
自動送り装置付きで連続生産が可能
② リップカット(幅決め切断)
板材の幅を決める工程。
寸法の均一性が箱の密閉性に影響
強度計算に必要な“使用断面寸法”を作る工程
③ 斜め切断(傾斜角加工)
特殊箱、すべり台型構造、支え材などに使用。
角度の誤差は±0.5〜1°以内
輸送衝撃を分散させる構造で必要
④ 面取り(C面、R面)
輸送時の破損・ささくれ防止のため、
角材や板のエッジに加工。
作業者の怪我防止
包装工程での資材破損回避
2-3. 木材特性を踏まえた切断最適化
木材は種類や乾燥状態で加工性が大きく変わります。
● 樹種による切断傾向
| 樹種 | 特性 | 切断時のポイント |
|---|---|---|
| スギ | 軽い・柔らかい | バリが出やすく刃角を調整 |
| ヒノキ | ほどよい硬さ・高耐久 | 直角精度が出やすい |
| 松材(パイン) | 節が多い | 刃の進行速度調整が必要 |
| 広葉樹(ラワン等) | 重硬・高耐久 | 刃摩耗が早く交換頻度UP |
● 含水率と切断精度
含水率が高い → 切断時にヤニ・曲がりが出やすい
含水率が低い → 切断面の割れや欠けが起こりやすい
→ 製材状態に応じて 刃の回転数・送り速度・刃角 を調整
2-4. 切断後の品質確認
切断が完了したら以下のチェックを実施します。
・寸法測定(長さ・幅・厚み)
・直角度測定
・切断面のささくれ・欠けチェック
・節の位置が構造部に影響しないか確認
・図面通りの材寸になっているかロット単位で検査
不具合があれば、工程にフィードバックし再加工します。
3. 組立(構造設計・接合技術)

切断した部材を図面に沿って組み上げ、木箱の基本形状をつくる工程です。強度を確保するため、釘打ちやビス留めの位置、固定方法に細心の注意を払います。輸送条件や荷物の特性に合わせて補強材を追加するなど、横尾工業ならではの柔軟な対応で、安全性と耐久性を両立させています。
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3-1. 構造設計
木箱の組立では、運搬時の衝撃や積載荷重に耐えるための構造設計が品質を大きく左右します。
横尾工業では、以下の要素を総合的に設計し、高強度と軽量化の最適バランスを実現しています。
① 応力分散設計
荷重が一点に集中しないよう、角当て材(コーナー材)や補強桟を最適配置
大型重量物の場合、荷重の伝達経路(Load Path)を計算し、底板 → 桟木 → パレット基礎へスムーズに分散させる
耐衝撃性の向上:落下・振動に対する応力解析にも基づいた設計
② 偏荷重対応設計
産業機械等は形状が左右非対称なことが多く、箱の片側に重量が片寄る「偏荷重」に耐える必要があります。
・補強桟の本数・位置の調整
・高耐圧材を使用した要所補強
・裏当て・間柱を追加し、構造のねじれを防止
③ 反り・ねじれ対策設計
木材特性(乾燥度・含水率)に応じ、反りの発生しやすい方向を考慮して設計します。
・複合方向に桟木を配置
・面材には反り止めの裏桟を採用
・長物の場合はハット構造・ラーメン構造なども採用可能
3-2. 接合技術
木箱の耐久性を決定づけるのは、接合方法の選定と精度です。
横尾工業では輸送条件や製品重量に応じて、最適な接合法を組み合わせています。
① 釘打ち― 角度・本数・ピッチを最適化
釘の保持力は「角度×本数×ピッチ」で決まります。
斜め打ち(Toe-Nailing)で引抜き強度を向上
要所にはダブル打ち・千鳥打ちで強度の最大化
フォークリフト衝撃を考慮した「縦方向補強釘パターン」を採用
自動釘打ち機による「一定ピッチ・一定打込み深さ」の高精度打ち
② ビス締結― 強度が必要な部位に使用
釘に比べ保持力が高く、大型・重量物木箱では必須
面材の浮きを防ぎ、繰り返し開閉が必要な構造にも対応
トルク管理された電動工具で、常に一定品質を維持
③ 金具補強
構造的に弱くなりやすい箇所は、金属部品で補強します。
L金具・フラットバー・プレート金具
大型機械輸送では「座屈防止金具」で角部ねじれを防止
ネジ・ボルトとの併用で大幅に剛性アップ
④ ダボ・ほぞ構造― 高級木箱で採用
輸出用や精密機器用で、箱の寸法安定性が重要な場合に採用。
ほぞによる「ズレ防止」
ダボによる「面材の平面保持」
構造体としての箱の一体化を実現
3-3. 組立時の品質管理プロセス
① 寸法許容差の管理
・±1〜3mmの精度管理(用途・サイズで調整)
・木材伸縮を見越した寸法補正を実施
② 接合強度の確認
・釘の打込み深さ・座りの確認
・ビス締付トルクのチェック
・金具の固定状態を目視+トルクチェック
③ 構造検査
・対角寸法による「ねじれ」チェック
・面材の平面度の確認
・パレット部の荷重伝達性の検査
④ 振動・衝撃に対する実機検証
・必要に応じて圧縮試験
・ランダム振動試験による破損検証
・エンドユーザー仕様に合わせた強度検証
4. 溝加工・治具設計

木箱・木製パレットの耐久性・安全性・作業効率を大きく左右するのが、「加工精度」とそれを支える「治具設計」です。
横尾工業では、製品仕様・荷姿・輸送条件に合わせて最適な加工方法を選定し、製品ごとに専用治具を設計することで、安定した品質と高い再現性を実現しています。
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4-1. 溝加工(ほぞ・かまぼこ・座彫り など)
溝加工は、部材同士の接合強度を高め、組立精度を向上させるための重要工程です。
【溝加工の目的】
① 構造強度の向上
荷重に耐えるため、部材の接触面積が増え、剛性が大幅にアップします。
② 組立時の位置ズレ防止
組立時のセンター合わせが容易になり、量産時の品質バラつきが減少。
③ 耐衝撃性の向上
輸送中の衝撃や積載によるひずみを吸収し、破損トラブルを防ぐ。
【主な溝加工の種類】
① ホゾ加工
柱・補強材の差し込み構造。耐荷重の高い木箱に使用。
② かまぼこ加工(R溝)
丸材・パイプなど円形製品の固定が可能。
③ 座彫り加工
金具・ボルト頭が飛び出さないようにする加工。
⇒ 輸送時の接触傷防止。
④ 相欠き加工
部材を組み合わせて平面に収める加工。
⇒ パレット一体型木箱などの桁組に使用。
4-2. 治具設計(精度・速度・安全性を左右)
横尾工業は 製品別の専用治具を社内で設計・製作 しています。
治具の精度が、 加工品質・組立スピード・作業者の安全性 を大きく左右します。
【治具設計のポイント】
① 加工精度の安定
治具によって、長さ・角度・深さ・位置を固定し、
誰が作業しても±1mm以内の精度を実現。
② 作業効率の向上
段取り時間を短縮し、量産品でもムラなく高品質を維持。
③ 品質の再現性
繰り返し加工でも寸法誤差が出ないため、
木箱の組み立て時のズレ・傾きをゼロに近づける。
④ 安全性
固定が弱い材料を無理に押さえて加工すると事故につながるため、
治具による固定力向上で 安全性も確保。
5. 釘打ち・補強— 荷重に耐える木箱をつくる最終プロセス

釘打ちと補強は、木箱の強度を決定づける最も重要な工程です。
木材の性質・荷重のかかり方・接合部の応力分布を理解し、適切な本数・ピッチ・角度で施工することで、輸送中の破損リスクを大幅に軽減できます。
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5-1. 強度設計の考え方(木箱の破損要因と応力)
木箱にかかる主な応力は以下の3つです。
| 応力 | 発生する場面 | 主に影響を受ける部位 |
|---|---|---|
| せん断力 | 持ち上げ時・振動時 | 釘接合部・側板 |
| 引張力 | 荷重が偏った時 | 角部・縦枠 |
| 圧縮力 | 積み重ね保管・輸送中 | 底板・支柱・パレット部 |
特に木箱の接合部は せん断力 + 引張力 が同時に作用するため、釘の本数・角度・素材が重要になります。
5-2. 釘打ちの強度理論(本数・ピッチ・角度)
① 釘の本数とピッチ(間隔)
釘の強度は “本数 × 1本あたりのせん断強度” で決まります。
一般的には JIS 仕様や実荷重に基づき以下を基本とします。
・本数:最小 3 点止めを基本
・ピッチ:40〜70mm
・端部から10〜15mm離して打つ(割れ防止)
・木材が厚いほど、ピッチを広く、釘を長くできる → 強度向上
② 釘の角度(斜め打ち:スプリットネイル方式)
高強度が必要な箇所では、
互い違いに 斜め方向へ釘を打つ“スプリットネイル方式” を採用します。
メリット:
・接合部に「引張力」がかかった場合でも抜けにくい
・接合面全体で力を受け止めるため、振動に強い
・パレット一体型木箱の“縦枠”に特に有効
角度の基準:
・内側 15〜30°、外側 15〜30°の交差打ち
5-3. 補強方法(荷重に応じた構造強化)
用途や荷重に応じ、次の補強材を組み合わせて耐久性を高めます。
① 角当て
四隅は最も荷重が集中しやすく、破損の原因になりやすいポイント。
角当て補強を施すことで 縦方向の圧縮強度が20〜40%向上 します。
構造としては:
・L型材を内側に固定
・外側に角当て板を追加し二重構造にする
→ 圧縮荷重・振動荷重に強くなる。
② 桟木補強(側板のたわみ抑制)
側板にたわみが発生する場合、桟木(さんぎ)を追加することで改善できます。
効果:
・面材の“縦方向たわみ”を抑える
・過荷重時の変形を50%以上低減
・高さのある木箱で有効
③ ビス止め併用(高荷重対応)
振動の多い輸送(海外船便・大型機械輸送)では、釘だけでなく ビス併用構造 を採用することもあります。
ビスは引張力に強く、釘はせん断力に強い。
両者を併用することで接合部が強固になり、「高荷重 × 長距離輸送」に耐える木箱となります。
5-4. 荷重・圧縮試験
横尾工業様では、完成後の木箱について 荷重試験・圧縮試験 を行い、構造と釘打ち設計が適正かを検証できます。
評価ポイント:
・破壊時の最大荷重(kN)
・たわみ量(mm)
・接合部の抜け・割れの有無
・パレット底部の沈み量
これにより、実際の輸送条件に応じた「強度保証」をユーザーへ提供することが可能になります。
6. 仕上げ~検品

組み上がった木箱全体をチェックし、強度・寸法・外観に問題がないか最終検査を行います。釘の浮きや表面の荒れなども入念に確認し、安全に使用できる状態に整えます。品質基準を満たしたものだけを出荷することで、お客様が安心してご利用いただける製品を保証しています。
7. 配送

検品を通過した木箱は、破損防止対策を施したうえで出荷します。現場への直送・工場内の納入などご希望に合わせた柔軟な配送が可能です。納期厳守を徹底し、製品を安全かつ確実にお届けすることで、お客様の物流スケジュールを支えています。
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